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門馬 悠一郎*; 坂入 正敏*; 上野 文義; 大谷 恭平
材料と環境, 71(5), p.133 - 137, 2022/05
薄い液膜下における鋼の腐食に及ぼす腐食抑制剤の影響を調査した。試料上に1.0-0.2mmの厚さの液膜を形成し、モリブデン酸ナトリウムと乳酸アルミニウム混合液を腐食抑制剤として添加し電気化学測定を実施した結果、腐食抑制剤はアノード反応を抑制すること、および液膜中では完全浸漬に比べて腐食抑制剤による保護層の形態が液量に応じて変化することが示唆された。
保田 諭; 田村 和久; 加藤 優*; 朝岡 秀人; 八木 一三*
Journal of Physical Chemistry C, 125(40), p.22154 - 22162, 2021/10
被引用回数:10 パーセンタイル:57.69(Chemistry, Physical)電解質溶液中におけるグラフェン-カチオン界面の電気化学挙動に関する知見は、グラフェンをベースにした電気化学デバイスの開発やカーボン材料とカチオンとの基礎的電気化学界面を理解するうえで重要である。本研究では、電気化学表面X線回折法と電気化学ラマン散乱分光法といった電気化学分光技術を用い、グラフェン-カチオン界面における基礎的な電気化学的挙動に関する知見を得ることを行った。その結果、ある特定の電位において、カチオンがグラフェン表面に脱水和・水和反応に伴う吸脱着が起きることが明らかとなった。これらの結果は、カーボンをベースにした新しい応用材料の開発や、グラフェン-カチオン界面における基礎的電気化学挙動を理解するうえで重要な知見となった。
金村 祥平*; 高橋 優也*; 大森 孝*; 野平 俊之*; 坂村 義治*; 松村 達郎
電気化学, 88(3), p.289 - 290, 2020/09
原子力発電所で発生する使用済燃料を再処理すると、高レベル廃液,ガラス固化体等の高レベル放射性廃棄物が発生する。高レベル廃棄物には、白金族元素,レアアース等のレアメタルが含まれる。これらレアメタルの一部は、Pd-107, Cs-135, Se-79, Zr-93といった半減期が数十万年以上の長寿命核分裂生成物(LLFP)であるため、現在は化学的,物理的に地層処分環境では長期間安定なガラス固化体として処分することとなっている。しかし、高レベル廃棄物からのレアメタル回収や、核変換処理による安定核種または短寿命核種への変換が実現すれば、原子力発電の長年の課題であった高レベル廃棄物の大幅な低減と、廃棄物の再資源化が実現できる。ImPACTプログラムにおいて、少量の試薬添加で元素の分離操作が実現でき、二次廃棄物量を低減可能な電気化学プロセスに着目し、電気化学的手法を用いた高レベル廃棄物からのLLFP分離回収プロセスを開発した。この成果が認められ、電気化学会技術賞(棚橋賞)を受賞した。電気化学会の依頼により、学会誌への解説記事を掲載する。本稿では、開発した手法について簡潔に解説した。
山本 正弘
計算工学, 25(3), p.4105 - 4108, 2020/07
腐食現象をマルチフィジックス計算で解析する試みが数多く行われるようになってきた。腐食は電気化学反応で進行するが、これ自身が非線形な関数で表現される。さらにその反応は周辺の溶液環境に大きく依存し、それは化学反応による組成や濃度変化が生じるため、非常に複雑な現象である。とりわけすきま腐食という現象は、環境変化と反応が需要な役割を示すため、マルチフィジックス計算により理解が深まる可能性がある。本稿では、そのような期待を込めた解析ニーズについて、腐食に馴染みがない計算科学分野の方にも分かりやすく記載する。
保田 諭; 田村 和久; 寺澤 知潮; 矢野 雅大; 中島 秀朗*; 森本 崇宏*; 岡崎 俊也*; 上利 龍史*; 高橋 康史*; 加藤 優*; et al.
Journal of Physical Chemistry C, 124(9), p.5300 - 5307, 2020/03
被引用回数:14 パーセンタイル:60.14(Chemistry, Physical)新しい二次元材料の新たな用途とエネルギー貯蔵システム創製の観点からグラフェン-基板界面への水素貯蔵に関する研究は重要である。本研究では、電気化学水素発生反応によりグラフェンのもつプロトン透過能を利用して、グラフェン-Au金属界面に水素を貯蔵する検証を行った。グラフェン担持Au電極を酸性溶液下での水素発生反応を誘起した結果、グラフェンとAu界面に水素が捕獲されたナノバブル構造が形成されるのを走査型トンネル顕微鏡により明らかにした。また、電気化学ラマン分光の結果、電気化学反応によるグラフェンの膜緩和が界面における水素貯蔵に重要な役割を担っていることを明らかにした。
阿久津 和宏*; Cagnes, M.*; 田村 和久; 金谷 利治*; Darwish, T. A.*
Physical Chemistry Chemical Physics, 21(32), p.17512 - 17516, 2019/08
被引用回数:11 パーセンタイル:53.26(Chemistry, Physical)本研究で、イオン液体中で形成される電気二重層の構造を決定するための、重水素化技術と中性子反射測定を組み合わせた手法を確立した。そのために、本研究において、選択的に簡素かつ大量に重水素化する方法を開発した。
上野 文義
材料と環境, 68(1), p.2 - 8, 2019/01
軽水炉(BWR, PWR)の冷却水の水質を適切に管理することは、構造材料の腐食や放射性腐食生成物の発生を低減するために重要である。そのため、電気化学測定法を用いた水質のモニタリングが必要である。本稿では、BWRにおけるECP測定の適用を中心に、軽水炉の水質と電気化学測定の必要性について述べる。
北辻 章浩
Radioisotopes, 67(10), p.483 - 493, 2018/10
ウランやネプツニウムをはじめとした、溶液内で種々の酸化状態をとるアクチノイドイオンの電極反応と酸化還元の特徴を概説する。フロー電解法は迅速かつ高効率な電解が可能で、反応速度の遅い酸化還元の観測にも適用できる。同法を用いて取得したアクチノイドの酸化還元挙動や、これに立脚した酸化状態の迅速調整法を紹介するとともに、電解に伴って発現する溶液内反応や電極上での触媒的還元などについても解説する。
山本 正弘
材料と環境2016講演集(CD-ROM), p.1 - 8, 2016/05
材料と環境2016の「岡本剛記念講演」として講演する。腐食事象に対し、実環境での腐食を実験室的に再現する独特の試験方法を考案し、得られたデータの解析結果を基に実際の腐食現象を支配する要因を解明することに注力してきた結果について説明する。具体的には、海洋環境と放射性物質を含む原子力施設の腐食現象に関してこれまでに実践してきた内容を示す。
上原 章寛*; 藤井 俊行*; 山名 元*; 岡本 芳浩
Radiochimica Acta, 104(1), p.1 - 9, 2016/01
被引用回数:7 パーセンタイル:55.03(Chemistry, Inorganic & Nuclear)XAFS分光その場観察に対応した電気化学セルを設計製作した。この装置を使い、電気化学的還元条件下にある溶液中のウランのL吸収端のX線吸収スペクトルをモニターした。4価のウランを、6価のウラニルから電気化学的に作り出し、その際のXAFSスペクトルを取得して、EXAFS解析を実施した。これらの分析から、0.1M硝酸溶液中で生成した4価のウランが一部再酸化されていること、1M炭酸溶液中でUOが生成していることなどを見出した。
青木 聡; 谷口 友美*; 酒井 潤一*
材料と環境, 64(9), p.414 - 420, 2015/09
本研究は、走査型電気化学顕微鏡(SECM)を用いて、二相ステンレス鋼(DSS)を構成するフェライト相およびオーステナイト相上における腐食反応をそれぞれ個別にin-situ観察し、DSSの腐食電位(約-0.15V vs.SHE)における優先溶解機構を解明することを目的とした。腐食電位においてフェライト相、オーステナイト相直上に、プローブ電極を固定し、プローブ電極の電位を-0.10Vから貴方向へ電位掃引速度20mV/sで1.4Vまで掃引し、プローブ電流値を測定した。プローブ電位が0-0.70Vの領域では、プローブ電極上で水素の酸化反応が起こったことによるアノード電流が検出され、この電流値はフェライト相上に比べオーステナイト相上でより大きかった。プローブ電位が0.70-1.2Vの領域では、二価の鉄イオンが三価の鉄イオンに酸化されたことによるアノード電流が検出され、この電流値はオーステナイト相上に比べフェライト相上でより大きかった。DSSは腐食電位においてフェライト相が優先的に溶解していた。これらの結果から、DSSの腐食電位における優先溶解機構モデルを各相の内部分極曲線を用いて提案した。
北辻 章浩
ぶんせき, 2015(6), p.239 - 244, 2015/06
混じり合わない二つの液相界面におけるイオンの移動反応あるいは電荷移動反応を、電気化学的手法を用いて調べた研究について、2012年から2014年までの文献を調査した。用いられた測定法ごとに分類して、その特長と発展、適用例などをまとめた。酸化還元非活性イオンの分析への適用や、界面吸着反応を利用した高感度分析の報告が多く、界面反応を利用する新規機能性材料開発などの応用研究が盛んになされている。
佐藤 智徳; 山本 正弘; 塚田 隆; 加藤 千明
材料と環境, 64(3), p.91 - 97, 2015/03
沸騰水型軽水炉(BWR)一次冷却系の冷却水は、水質管理により高純度な水質が維持される。さらに、水の放射線分解により生成される過酸化水素が酸化剤種として存在している。そこで、このような高温水中でのステンレス鋼のさらされている腐食環境を評価するため、支持電解質を添加せず、過酸化水素のみを添加した高温純水中に浸漬させたステンレス鋼の電気化学インピーダンス測定を実施した。過酸化水素の濃度条件を変えて測定した結果、測定された電気化学インピーダンスに顕著な変化が確認された。取得した結果の等価回路解析により、溶液抵抗、分極抵抗を同定した。同定された溶液抵抗をもとに、作用極と対極間の電流線分布に関して3次元有限要素法による解析を実施し、セル定数の補正を実施した結果、導電率として4.410S/cmが取得された。過酸化水素濃度を変化させた時の分極抵抗の変化から、分極抵抗の逆数が過酸化水素濃度の一次関数となることが示された。これは、ステンレス鋼表面の腐食電流が過酸化水素の拡散限界電流により決定されていることを示している。過酸化水素の高温水中での拡散係数の同定を実施した結果、1.510cm/sが取得された。これは沸騰水型軽水炉条件における過酸化水素の拡散係数として従来用いられた酸素の高温水中での拡散係数の約2倍となった。
白井 理*; 山名 元*; 荒井 康夫
Journal of Alloys and Compounds, 408-412, p.1267 - 1273, 2006/02
被引用回数:39 パーセンタイル:84.47(Chemistry, Physical)ウラン,ネプツニウム,プルトニウムの金属及び窒化物のLiCl-KCl共晶塩中の電気化学的挙動を、固体電極(Mo)並びに液体電極(Cd, Bi)を用いて調べた。金属の3価/0価の平衡電位は、液体電極上ではアクチノイド金属の活量が低下するために、固体電極の場合よりも正側にシフトした。また、窒化物の平衡電位も、窒化物の生成自由エネルギーにほぼ相当する電位分だけ、正側にシフトした。これらの挙動をアクチノイド系列と希土類系列について比較して議論した。
田村 和久; 水木 純一郎
Journal of Physical Chemistry B, 109(26), p.12832 - 12836, 2005/07
被引用回数:2 パーセンタイル:4.61(Chemistry, Physical)電極表面における2次元相形成については、これまでFleischmann, Thirskらを初めとする多くの研究者によって検討が行われ、さまざまなことが明らかになっている。しかしながら、測定手法の大きな制限から、これまで、クロノポテンショメトリー及びクロノアンノンペロメトリー法による検討が主であり、電極表面構造解析法による検討はほとんど行われていない。これまで、われわれは大電流を流すことができる、溶液抵抗の小さな「ドロップセル」を作成し、電気化学的触媒反応が起きている電極表面のin situ構造解析を可能にした[1]。本研究では、ドロップセルを用いたin situ時間分解表面X線散乱及びクロノアンペロメトリー法により、Au(111)上に形成したBi UPD層の構造相転移について、構造的及び電気化学的の両観点から、その速度論について詳細に検討した。
阿部 英樹*; 西田 憲二*; 今井 基晴*; 北澤 英明*; 吉井 賢資
Applied Physics Letters, 85(25), p.6197 - 6199, 2004/12
被引用回数:15 パーセンタイル:51.46(Physics, Applied)MgCl, NaCl, KCl, MgBOからなる混合溶融塩に微量のCuClを添加したところ、ステンレス基板上にホウ化物超伝導体MgB膜を電気化学的手法によって作製できることを発見した。顕微鏡観察から、薄いCu層がステンレスとMgB膜を結合させる役割をしていることが示唆された。また、低温における電気伝導測定から、臨界磁場28T,不可逆磁場13T、及び臨界電流25000A/cmの超伝導パラメータが得られた。この結果は、本手法で作製した膜が良好な超伝導特性を有することを示す。さらに、本手法の有する簡便安価性を考え合わせると、本手法はpowder-in-tube法のような従来型の膜作製法に比べ、応用に有利と結論した。
椎名 保顕; 滝塚 貴和; 笠原 清司
日本原子力学会誌, 46(12), p.862 - 863, 2004/12
「水素製造技術に関するワークショップ」が、2004年7月56日、茨城県大洗町の日本原子力研究所(原研)大洗研究所で、同研究所の主催のもと、開催された。原研ではHTTR(高温工学試験炉)プロジェクトにおける研究開発推進のため、高温ガス炉技術の開発研究及び水素製造などの核熱利用技術の開発研究に関する専門家を集めたHTTRワークショップを定期的に開催し、核熱による水素製造技術の技術課題や研究開発の推進方法などについて議論することを計画している。本ワークショップはその第1回として開催された。参加人数は113名で、そのうち国外の参加者は6か国(米・仏・韓・独・加・英)21名であった。発表はすべて口頭で行われ、件数は17件であった。
岡本 芳浩; 湊 和生
JAERI-Conf 2004-008, 228 Pages, 2004/04
溶融塩を利用した使用済み核燃料の乾式再処理技術の開発が、経済性の向上の期待のもと、調査・研究が幅広く行われている。一方、昨今の計算機技術の著しい進展に伴い、実験を補完し結果を予測する手段としての計算シミュレーションの役割に対する期待が大きくなってきている。溶融塩技術の中においても、シミュレーション技術が盛んに利用されている。このような背景のもと、原研物質科学研究部アクチノイド科学研究グループは、日本原子力学会再処理・リサイクル部会と共催で、2003年12月16日に原研東海研において、第3回「溶融塩技術と計算シミュレーション」ワークショップを開催した。本報告書は、その講演の要旨及び講演OHPをまとめたものである。
高橋 正光
電気化学および工業物理化学, 72(2), p.128 - 132, 2004/02
水溶液中の電極表面の構造をその場でかつ原子分解能で測定する手法として、X線回折法は優れた特徴を持つ。第一に、高い透過性により、試料まわりの雰囲気に影響されにくく、水溶液の存在に影響を受けにくい。第二に、逆格子ロッドに沿った、いわゆるCTR散乱を測定することにより、表面に対する敏感性を持つ。これらの特徴を生かして、Te/Au(111), Cd/Au(111)の電析膜の構造を解析し、電気めっきによるCdTe単結晶膜の品質向上につながる知見を得た。また、Au(111)基板と整合したPd単原子膜を電気めっきにより作製できることを示した。近年、X線による構造解析手法は、モデルに依存しない原子分解能イメージングを目指した進展が顕著であり、その例を簡単に紹介した。
河村 繕範; 小西 哲之; 西 正孝
Fusion Science and Technology, 45(1), p.33 - 40, 2004/01
被引用回数:25 パーセンタイル:81.94(Nuclear Science & Technology)核融合炉の効率的なブランケットトリチウム回収システムの実現を目指して、プロトン導電性固体電解質膜を用いた電気化学水素ポンプの研究開発を進めている。水素ポンプを用いたブランケットトリチウム回収システムの利点の一つは、一つのコンポーネントで水素同位体と水蒸気の同時処理が期待できることである。本研究では、ペロブスカイト型プロトン導電性セラミックであるSrCeYbOを用いた水素ポンプにより、水分子中の水素抽出特性についての実験研究を行った。水分子からの水素抽出には、水の分解エネルギーに相当するしきい値が存在する。その値は873Kで500600mV程度で、水蒸気分圧の増加に伴い減少する傾向が見られたが、理論値よりやや低い値となることがわかった。また、H-HO混合ガスのポンピングについては、Hの透過が水蒸気分解より優先して生じ、水蒸気分解のしきい値は水素分圧の増加に伴い増加する傾向が見られた。これらの結果から、一段の水素ポンプによる水素同位体及び水蒸気の同時処理を実証したが、同時処理を行うためには、比較的高く印加電圧を設定する必要があることが見込まれる。